比べられない VOL.17
愛犬モモが亡くなってから、もう1年半近く時が過ぎました。
今、私の傍らには、愛らしい仔犬のキャンディーがいます。
キャンディーがやって来る半年前まで、私はモモと散歩した道、ハウスがあった場所、モモが大好きな林檎畑、遊んだ庭、介護中トイレに苦労した場所、お店番していたサロンの入り口にモモの残像を見ては、肉眼では見えないモモのエネルギー体に語りかけていました。
モモがいつも私の傍らにいるような気がして、誰も居ない時は、いつもひとり言を呟き、時には空に向かって「モモー!!」と大声で呼びかけたりしていました。
恥ずかしくて誰にも聴かせられないけど、自作のモモに贈る変な歌を、ガーデニングをしながら歌ったり(#^^#)
私のペットロスは、悲観的ではなくて、とても明るく愉快でした。
それが、新しい仔犬を迎える・・・と決めてから、少しずつモモへの語りかけや変な歌を歌うことも少なくなりました。
時々、これって「モモに申し訳ないのかな?」という思いが頭を過りましたが、すぐにモモはそんな小さな器じゃなかったことを想い出しました。
それに、もしかしたら同じタイミングで、モモも過去への執着を手放して、新たな旅立ちの時を迎えているような気がしました。
我が家にはモモの祭壇があります。
そこに毎朝夫が水を替えてくれて、私がお線香をあげます。
そして、キャンディーを抱っこしてモモに語りかけます。
「お姉ちゃん~!キャンディーはスクスク成長していまーす♡」
最初、キャンディーも「モモの存在を重荷に感じたりはしないかな?」なんて頭を過りましたが、
キャンディーの器もそんなに小さくないことがすぐにわかりました。
心配をよそに、素直なキャンディーは、健やかに私達家族の心を掴んでいきました。
モモもキャンディーも、とても愛情深い子で魂の学びが深い子のように思います。
私は素晴らしい愛犬に恵まれてとても幸せです。
動物は純粋で、私達人間が忘れがちな叡智を失わずにシンプルに生きているなと日々学ばされます。
モモが亡くなった時、もうこれ以上のパートナー犬には出会えないだろうと思っていました。
だから、「モモの魂に早く生まれ変わってきて」と毎日語りかけていました。
でも、今はキャンディーが本当に愛しくて愛しくて仕方ありません。
生後3ヶ月頃から、サロンの看板犬として大活躍。
環境に溶け込む能力が優れていて、愛情表現が素晴らしい。
サロンとお客様が大好きで、働き者。
モモが陰で指導しているとしか思えません(#^^#)
人懐っこく、全ての人に平等で、甘えん坊でひょうきん者。
感受性が豊かで、素直で従順な優しいキャンディー。
意志が強くて、忍耐力があり、家族想い、
慈愛に満ちていて、私を育み見守ってくれたモモ。
比べられないです。
どちらも素晴らしい個性、魂。
だから私達人間だって、誰と比べる事なく、一人一人がユニークな存在なのだから
自意識やコンプレックスに拘らずに、シンプルに生きないとせっかく生まれてきたのに勿体ないですね。
今は命あるキャンディーの世話でともに楽しい日々を過ごしています。
モモに語りかけることを忘れてしまうのも、
私がモモを忘れてしまったり、冷たいからなんじゃなくて
今の瞬間を生きれるようになったからなのかもしれません。
意識、感覚、心、身体全てを今のこの瞬間に。