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「竹取物語」に込められたメッセージ

先日、スタジオジブリ作品「竹取物語」のDVDを観ました。

この作品は、スピリチュアルに生きることの大切さをテーマにした作品だと感じました。

かぐや姫は竹取の翁と婆のところにある日突然やってきます。
昔話では、子供がいない老夫婦が、ある日突然神の祝福を得て、子供を授かるという設定が多いです。
現代は美魔女ブームで、40代でも若々しい女性が多いですが、「竹取物語」の時代において、翁・婆といったら今の私と同じ40代くらいだったのだろうなぁ~と想像しました(^^ゞ
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何故、老夫婦である必要があるのか・・・?
ある日突然素晴らしい能力を持った子供を授かるという、神仏の祝福を受けることのできる存在。
それは、貧しいけれども正直に生きて、優しい心の持ち主である無欲の存在がぴったり。
だからこそ、若者ではなく、翁と婆の設定がいいのかもしれませんね。
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この作品の中で、前半のかぐや姫は、貧しい田舎暮らし。
「鳥、虫、けもの、草木、花~♪」と歌い、山の中で自然共に活き活きと生きる姿で描かれています。
しかし、翁は神の恵みで富を手に入れ、かぐや姫の幸せのためには品格のある生活をさせるべきだと考えます。
そして、良かれと思って都に連れて行き、姫君としての教養を身に付けさせます。
たちまち、かぐや姫の美しさは都中の噂になり、容姿に心奪われた位の高い男達が、あの手この手で求婚する姿を愚かに描いています。

現代でも、子供の将来の幸せのためにと「知識と頭脳」を高めるための教育に熱心な親は多いです。
より良い大学、より高収入を得られる会社に入るために、親子で必死になって奮闘するのが常識になっている時代です。
現代人は、多くの人が、パーソナリティーの部分で生きています。
外側を満たすことを第一に優先し、収入、肩書き、立場、世間体をより良くすることで幸せになると信じています。

「幸せの条件」をクリアーするために、一生懸命学び、働きますが、魂の声やハートの声を聞くことを忘れています。
魂の声を聞くことなく進むと、どこかで必ず限界がやってきます。
現代人はこの幸せの条件のせいで苦しんでいる人が多いです。

一人一人が、その幸せの条件を手放して、魂の本来の目的や生まれる前に決めてきた使命に気付くこと、生きている手ごたえを感じて生きることが選択できたなら、無限の喜びや幸福を感じながら生きる人が多くなり、平和が築かれていくと思います。

エゴによる「制限つきの幸せの条件」に縛られ続けることは、本来の魂の声を聴くことを妨げ、ハートから生きることから遠のいていきます。

かぐや姫は、都での「幸せの条件」に縛られた暮らしに苦しむあまり、月に「帰りたい」とお願いをしてしまいます。
よく、「死んだらお星様になる」といった表現があるように、私たちは宇宙の欠片から生まれた存在で、死んだら星に帰ると考える人もいます。
「竹取物語」の書かれた時代においては、星=月 神秘的な命の帰るところを「月」に例えたのだと思いました。
かぐや姫は「月から来た特別なお姫様」ではなく、私たち人間となんら変わらない存在。

宇宙の法則というのがあって、必ず放出したエネルギーが戻ってきます。
思いは実現するのです。

自分らしく生きることができず、気力を失ったかぐや姫が月に迎えをお願いし、その迎えが来ることがわかった時、かぐや姫は「生きている手ごたえを感じて生きるべきだった」と悔いています。
この月からのお迎えは、私たち人間にとっては「死」を迎える時だと感じました。
かぐや姫が「天からのお迎えが近づいた時」「死期がわかった時」はじめて、「自然の中で人間らしく生きることに最善を尽くすべきだった」と悔いています。
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最後のシーンでは、雲の上に大仏と観音様が乗って、かぐや姫を迎えにきます。
映画「かみさまとのやくそく」~胎内記憶を持って生まれた子供たちの話しの中に、「まだ光の魂の存在の時、宇宙からTVのような映像で地上にいるお母さんを探し、どのお母さんに入るかを決め、滑り台で降りて生まれてくる」とありました。
「その宇宙の雲のようなところに、大仏のような神様がいて、光の魂の面倒を天使が手伝っていた」という話しもありました。
最後のシーンはその様子と同じに見えました。

かぐや姫は観音様が掛けてくれた羽衣を身にまとった瞬間、現世のことは忘れてしまい、執着から離れ、愛情の記憶も忘れ、雲に乗って消えていきます。
魂、光になった時、人間もこのように過去の記憶を忘れるのかもしれません。
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そして、また条件がそろった時に、別の形で再びこの世に現れるのでしょう。

「竹取物語」は一人一人が、何故生まれてきたのかを想い出し、魂の声を聞いてハートに従っていきるようにとのメッセージが込められています。
一人一人の人間の運命は、その人独自の意志により、ある目的へと向かう道を選択する自由があります。
頭で考えて人生を決めるより、ハートで感じたり、全身に力が入る方向性を選択することによって、魂の本来の目的である真実の道を生きることができます。

生きている手ごたえを感じて生きていきましょう♪