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精油とわたし

何年振りかで、アロマテラピー講座を開講することにしました。
そこで、改めてテキストづくりをして、アロマテラピーについて考察しています。
今はゆったりと生活しているので、ゆっくり資料を読んだり、今までのケーススタディーと絡めて学ぶ時間がとれることに感謝です。

皆さん、お庭でいろいろなお野菜やお花を育てていらっしゃるかと思います。
私もサロンのハーブガーデンで、ラベンダー、タイム、セージ、カモミール、ミント、レモンバーム、エキナセア、クラリセージ・・・などなど沢山の良い香りのする植物を育てています。
・・・といってもハーブはほったらかしでも育ちますので手抜きですが(*^^)v
時折、ガーデンの草取りをしていると、ラベンダーの心地よい香りがして、とても清々しい気分になります。

さて、何故私たちは、ラベンダーを育てるのでしょうか?
そして、何故人間はラベンダーを栽培して、ラベンダー精油を抽出するのでしょうか?
その答えは、ラベンダー自身が作り出す精油の成分(二次代謝物)が私たち人間や動物に効果をしめすからです。
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まず、地球や自然とのかかわり合いについて考えてみましょう。
現在の研究では、地球が生まれたのは45億年前。
そして、最も古い生物の化石は35億年前のものと見られます。
この地球上に最初に誕生した生物が、水の中に出現した単細胞生物で原核生物と呼ばれるバクテリアです。
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この単細胞生物の構成要素は、炭素・酸素・水素・窒素です。
これが精油の元となっている構成成分(テルペン類)と同じなのです。

そして、現在の98%の生命体(有機体)はこれらの元素でできています。
ということは、30億年以上も前から存在する精油の構成要素と、私たちはとても馴染みが深いのです。

その後、7億年前に陸上植物(核がある多細胞生物)が出現します。
それまで、地球の空気中に酸素はありませんでした。
そして植物と太陽の光による光合成が、地球の大気を大きく変化させました。

植物の中の葉緑体(クロロフィル)と太陽の光が光合成を可能にし、地球の空気中に酸素の%が増えました。
空気中の酸素が一定量になるとオゾンに変化します。
こうして私たち生命体(有機体)を守ってくれるオゾン層が形成されたのは、4億5千年前です。

さらに次の段階です。
酸素は多すぎると、有害になります。
そこで、その酸素をつかって生きる呼吸器系を持つ、私達生物が生まれました。

このように、地球の進化が生命の営みを変えてきました。
地球上に存在するものは、進化とともに自然淘汰を乗り越えて、生命を維持し生き残っていくことで、なくてはならない物に変化してきたのです。
こうして、今存在する命は相互依存の上にあります。
大自然なくしては、私たちは存在すらできなかったのです。
人間が地球をコントロールするなんて不可能なんですよね。
でも人間社会は、地球も、自然も、自分自身もそして周囲の人をもコントロールしたがる人が多すぎです。

次に、精油について考えてみましょう。

先ほども触れましたが、植物は自分の生命要素を光合成によって作り出すことができます。
植物は自分自身で細胞機能のために必要なエネレギーとなるアミノ酸(タンパク質をつくる単位)、炭水化物(エネルギー栄養)、脂肪と油脂(貯蔵物質)、DNA、RNAなどを作ることができます。
これが、植物の一次代謝物で、植物が成長・再生するための構成要素であり、生殖のために必要となります。

そして、植物の一次代謝で使われなかったエネルギーが、進化、代謝にとって重要な二次代謝にまわされます。
二次代謝物は植物の中に少量だけつくられ、日常的に必要なものではありませんが、植物の進化、代謝にとって重要です。
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植物は光合成で自分でエネルギーを作り出すことができますが、動くことはできません。
そのため、自分たちのために動物の移動機能を巧みに利用して、種の繁栄を図っています。
植物の中には、動物の神経伝達物質やホルモンに似た物質を持つも種類もあります。
生物学的に言えば、二次代謝物は種の繁栄を図り、動物をあやつる相互作用のための機能として造られます。
そして植物の進化の過程で、必要のない成分が自然淘汰され、副作用が消滅して、優れた薬理作用が残りました。
この産物こそが、アロマセラピーの基本となる精油なのです。

私は植物にとっての精油とは、人間の精神のようなものではないかと考えています。

植物は、それまで何に挑戦してきたかによって、二次代謝物である精油の成分が決まるそうです。
人間も、生きるために最低限必要な環境が整うと、次に人生の意味や自分の存在意義を考えたりします。
その人が、今ある環境で、そこでどう生きようとしてきたのかにより、元々の本質的な性格に培った精神性が加わり、その人の人間性を構築します。
先日まで開催されていたリオオリンピックを観て、勇気や夢を叶えるために努力する人の姿に励まされた方も多いかと思います。
アスリートのように、精一杯生きる姿をスポーツという形態で表現し、人々を励まし、感動と勇気を与える人達もいます。
人生経験が豊富で、色々な苦労や辛い経験を乗り越えて、人を思い遣る気持ちを大切に育ててきた人は、ただ側にいるだけでほっとしますよね。
私もアロマセラピストという仕事に挑戦してきたことで、自分の中の性質が癒しに役立つよう変化してきた部分もあると思います。
このように、人間が色々な性格、性質、性別、職業や人生経験があって生まれる精神があるように、植物にも色々なタイプがあり、効果効能、役立ち方が異なります。

例えば、同じラベンダーでもタイムでも、甘い環境で育ったものよりも、厳しい環境で自力で生き抜いてきたものの方が、より成分が穏やかに優しく、ヒーリング効果が高くなります。
植物は過度の温度差や紫外線など、厳しい環境の中で問題にぶつかった時に、遺伝子が活性化するそうです。
そして、生きるための答えとして、強くなるのです。

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薬用植物は、何にチャレンジして生きてきたのかにより、それがヒーリングパワーとなって、私達に提供してくれます。
厳しい環境の中で、試行錯誤して生き抜いた植物の中には素晴らしい精油が生まれます。
自然も人間もこの地球上に存在する生き物は、繋がりと共通性があります。

皆さんは、今植物にどんな効果を期待しますか?
自分のため、地球のために、どんな植物が必要だと思いますか?

私は今の地球には癒やしが必要だと思います。
人間が排出する有害物質などの毒を浄化してくれる植物、大地を再生してくれる植物、傷ついた動植物を癒やしてくれる植物・・・。
浄化と再生、そして癒やし育んでくれる植物の効能が沢山必要だと思います。

では、人間はどうでしょう・・・。
ダライ・ラマの言葉が心に浮かびました。

地球はこれ以上、成功者を必要としない。
地球切に望んでいるのは、平和を実現する人や、
人を癒やす人、修復する人、物語る人、
そしてすべてのものを愛する人たちだ。

あなたも地球が切に望んでいる、平和を実現する人、人を癒やす人、修復する人、物語る人、そしてすべてのものを愛する人に名乗り出ませんか?

アロマテラピー基本講座では、このようなお話しを分かち合えたら嬉しいです。
アロマテラピー基本講座の詳細は、ホームページのイベント欄からご覧頂けますので、興味のある方は是非のぞいてみて下さい。