問題行動の原因は飼い主にあり VOL.8
それから面会謝絶状態で、モモが帰ってくる日を今か今かと待ちわびて過ごしました。時々、モモのトレーニングの様子を、隠れて覗きに行き、寂しさを堪えて陰から見守りました。
綾ちゃんに電話して様子を窺うと、
「モモは犬との協調性がないけど、とても賢くて性格も良いし、何も問題がないよ~!!」
「こりゃ、飼い主の問題だね~! アッキーの躾け教室の方が本当は必要だよ!」
とのこと・・・。
どうやら私は、タイミング良く叱ったり、根負けしないで繰り返し言い聞かせるなどのポイントを、まるで押さえられていないようでした・・・(T_T)
確かに私が叱っても、モモは遊びの延長のようにしか捉えず、全然言うことを聞きません。私はそんなモモにイライラして、ダラダラと怒ってしまう・・・という、全くメリハリのない躾け方をしていました。
叱る時は、リアルタイムで瞬時に、分かりやすい言葉と声で言い聞かせるのがコツです。
これが又、なかなか上手くいかないのですよ。
犬に問題行動が現われる原因は、飼い主にあります。
犬を躾ける時に、本腰入れてちゃんと叱ること、それは愛です。
家族の一員となり、意思疎通が取れ、調和して暮すことができるようにちゃんと躾けることは、愛犬の幸せな一生のために絶対必要です。
トレーニング終盤、面会が許され、両親と一緒にモモに逢いに行きました。
私たちに気づいたモモは、大喜びで駆けて来て、興奮して飛びついてきたのです。
その時、力が弱い母が尻餅をついて転んでしまいました。
その様子を見て、綾ちゃんはものすごい勢いでモモを叱って、モモは喜びも束の間ションボリ立ちつくしていました。
私は可哀想になって、すぐに慰めたかったのですが、綾ちゃんの躾が無駄になってしまうと思い、ぐっと堪えました。
ドックカンパニー ソレイユさんでのモモの様子を見ていると、モモが寄り添っているラブラドールレトリバーの老犬がいました。
綾ちゃんに聞くと、「モモが唯一慕ってくっついているあの子は、癌を患っていてね、もう命は長くない子なんだ。」とのことでした。
私にとっては暴れん坊のやんちゃなモモでしたが、とても優しい表情をしていました。
他の犬達と比べても、モモは温和しい方に見えました。
きっと、モモは仔犬の頃から、とても心優しい子だったんだね。