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更年期の通過儀礼記録①

272565867_4723709784373448_7349517382445306978_n.jpg2022年まだ始まったばかりですが、今年最大のビックイベントが無事終わりました。
ご心配頂いた皆様、本当にありがとうございました。
入院中、色々と感じた事、思った事が多かったので、今回の体験を少しずつ記していきたいと思います。
ブログを書く時に特に意識している事は、自分の本音を語ること。
私の家族は自分のプライベートを公に語ることに反対するのですが、私自身は自分の体験を本音で語ることが、読んで下さる方々への最良のプレゼントになるのではないかと勝手に思い込んでいます。
ついつい「伝えたい」という熱い想いが湧き上がってきて、頭の中をぐるぐるするのです。だからまだ本調子ではありませんが、「早くアウトプットしたい」と思います。
そして自分を現すことは、何より私自身が思いを体現していく後押しのきっかけにになります。

1/23(日曜日)
自宅での手術前最後の食事は私の手作り「渡り蟹のトマトクリームスパゲッティ」でした。
パスタが苦手でいつも別メニュー(うどん等)の父も、無理して「美味しい」といって食べてくれました。
2時に夫が病院へ送ってくれ、入口であっさりお別れ。個室に入院しました。
コロナ禍なので面会も手術の立ち会いも無く、とにかく退院する迄全部これからは一人。シーンとしたお部屋に入ると、少しホームシックになりました。
でも切り替えが早い私は、テレビを観たり、音楽を聴いたり、お茶を飲んだり・・・気ままに過ごし、久しぶりの一人時間を旅行気分で楽しみ始めました。
程よい緊張感はありましたが、「恐れ」は不思議とありませんでした。
入院前に仕事を休み、意識的にリラックスしたり、気持ちをブログに書いたりして整理したのが良かったのかもしれません。
自分の不安や本心を友達に話したり、ノートに書いたりして、入院前までにポジティブな気持ちに変換できていたのも良かったのだと思います。

1/24(月曜日)
体調も良く、前向きな感情と明るいエネルギーに満ち溢れて、朝から張り切っている状態でした。
変な話し、講演会で自分が話をするとか、中程度のジェットコースターに乗るために順番待ちをしているような気持ちでした。
主治医の先生への信頼も深くなっていたので、「麻酔がかかれば大丈夫だ!」と安心して臨むことができました。
看護師さん達とも直ぐに打ち解け、最善のサポートを受けられる体制を整えていた私は、我ながら「やるね~」と思いました(#^^#)
と言っても、手術台に上がった時は、手足が氷のように冷えていたので、無意識では緊張マックスだったのかもしれません。
看護師さん達が手や足を擦り、温めてくれたのが、とても安心し嬉しかったです。

3時間45分と長い手術時間を要し、子宮内膜症による大きなチョコレート嚢腫と右卵巣摘出手術が終わりました。
この日の夜は、本当に辛かった!!苦しかったです!!
手術後も麻酔が効いているだろうから、それ程痛くは無いだろう・・・と勝手に思い込んでいたのは迂闊でした(笑)
朝になり、付けられていた管を抜かれる迄が峠でした。
8時になると重湯を食べ、痛み止めを飲み、10時には歩かされて、自力でトイレに行きました。
トイレが近い私は、何度も何度もトイレに行き"(-""-)"、それが功を奏しリハビリになったのか、午前中の内に「歩くこと・トイレに行くこと」の自信がつきました。
歩くことに自信が付いたため、午後は病室移動を「ベッドで寝たまま行きますか?」それとも「歩いて行ってみますか?」に迷わず「歩いて行きます」と即答。
先生も看護師さん達も目を見張る復活の速さでした!(^^)!

その後は、日に日に傷が癒えて、体力が回復していくのを感じました。
昼間動くと内臓が元の位置に戻っていき、夜寝ると細胞が再生し、翌朝には前日よりも回復しているので、自然治癒力の素晴らしさに感動しました♪

でも病院の夜はどうも苦手で、日が暮れてくると不安な気持ちになり、眠れない夜に恐怖を感じたので、睡眠薬を貰い眠りました。
元々薬が嫌いな質ですが、普通の状態ではない体調で不眠症は良くないと割り切り、病院に居る時は睡眠薬にサポートして貰いました。

今回程、西洋医学の凄さ、医学の進歩への感謝を感じたことはありません。
母の大腸癌の時にも、外科手術のありがたさを身に沁みて感じたのですが、私は西洋医学に少々猜疑心も持っているので、最初から全面的に信頼せず自分で調べたりして納得してから選択したい方です。
そのスタンスが私にとって今まで良いバランスだったのかもしれませんが、今回の体験で、確固として持っていた信念に柔軟性が生まれました。
医療現場で働いていらっしゃる方々の「患者さんの病気が治るように!」との並々ならぬ努力に頭が下がり、過剰に猜疑心を持ち過ぎていたことを反省しました。

1945年終戦の年の平均寿命は女性が40代、男性が20代だったのだそうです。
この短期間に医学の進歩により、私達は人生を長く楽しむことが出来るようになりました。
77年前の人からみたら、40代は余生だとすると、私は49歳で一度死んで、また再生したオバケのような感じかもしれませんね(笑)
でも私は病気を治療して、今新しい身体で今ここに生きています。本当に感謝です。

今回の私の病気は自然療法だけで治癒するのは無理だと思ったので手術を選択しました。
8年間、時にはストイックに、時には適当に、自然療法を試みながら経過観察をしてきましたが、色々な要因が重なり、コロナパンデミック後、急激に大きくなってしまいました。
最終手段は手術という方法になりましたが、本当に思い切ってやって良かったと思います。
もし現代医学が無かったら、間違いなくこの先長生きは難しかっただろうなと感じます。
そして手術に際して、薬が無かったら、今でも痛みに喘ぎ苦しんでいたかもしれません。

それから、今回大きな気持ちの変化を与えてくれたのが、主治医の先生との出会いでした。
実は、今回偶然私の主治医になったI先生は、別の総合病院の婦人科で2度程診察していただいたことがありました。
その頃は、結婚して間もなく、子供が欲しい時期で、その病院に不妊治療で通っていました。
しかし、西洋医学での不妊治療(特に排卵誘発剤などの薬)や、その病院の毎回担当医が変わる診察システムが私には合わず、3ヶ月程度しか通院しませんでした。
実はその時に初めて、I先生が私の卵巣嚢腫に気付き、MRI検査を薦めていただきました。
その後、MRIの検査結果の説明は別の女性の担当医に変わり、その先生との相性が悪かったのか、頭ごなしに発せられた強い言葉に傷ついて、それからその病院へ行くのが嫌になり、東京の従妹の病院で定期健診を受けるようになったのでした。

I先生は腹腔鏡手術に優れた技術と経験をお持ちという事で、今回私の主治医になって下さったのですが、最初紹介された時は「あっあの先生だ!!」と少し警戒しました。
何故なら、不妊治療の時の想い出がいっしょくたになり、「コントロールされる」「傷つけられる」という不安が過ったからです。
でも手術前に繰り返し先生の診察を受けた時に、丁寧に病気や治療について、私の気持ちを汲みながら説明して下さったり、雑談も含めてお話しをして優しいお人柄を知り安心することができました。
私自身が病気に対して積極的に知ろうとしたり、前向きな治療の目標を持って診察や手術に望んでいることも、先生は褒めて下さいました。
少しでも疑問に感じたことや感じたことを本音でお伝えすると、先生も誠実に答えてくれました。
私が本音で話すというのは、「敬意を持って正直に接する」ということだと思っています。
私自身がそれができる相手であれば、年齢、性別、立場、時間関係無く、私にとって上辺ではない信頼関係を築くことが可能な人だと思っています。

私は最初警戒していたので、過去の事を先生に話しませんでした。
それから話すきっかけも見つけられず、手術が終わり、ここまで来たら話す必要は無いなと思っていました。
ですが、朝8時半、夕方5時半頃回診にみえる予定の先生が、いつも手術で忙しいようで、夕方は7時半になったり、8時半に回診にみえました。
あんな緊張マックスの仕事を毎日毎日多忙な上、よく集中できるな~と尊敬の念を覚えました。
お疲れの時も、私の調子を診て下さり「大したもんだ!!」と声を掛けて下さったり、私が観ていたサッカーの試合に興味を持って覗き込んで下さったりと偉そうな医師のイメージを払拭して下さいました。
そこで、8年程前に別の総合病院で不妊治療をしていた時に先生に卵巣嚢腫を指摘されたこと、その後何故通わなくなったかをお話ししてみました。
先生は勿論私の事は覚えていませんでしたが、「そうだったか~」と残念そうな顔をされ、「女性の気持ちは女性の先生の方がわかってくれると思うのだろうけど、医者ってのは理詰めで説明するから
そうとも限らんよな~」とおっしゃっていました。
私が職業欄にセラピストと書いていたのもわかってらして、「皆、自分はまさか病気になる訳ない!大丈夫!!だと思っているもんだけど、今回当事者になって身に沁みただろう。手術ってやなもんだろう?だからこの大変だったこと忘れるな!!」
「女性はすぐこの痛みを忘れて、簡単だったよ~みたいなこと言うけど、手術は身体に負担がかかるし大変だったと伝えてくれ!!」と笑っておっしゃいました。
その裏には、「女性はもっと自分の身体を大事にしろ」という想いがあったように思います。
私も「現代女性は婦人科系になんのトラブルが無い人を探す方が難しい時代になって、先生本当にお忙しいと思いますが、身体に気を付けて長生きして、女性達をこれからも沢山救って下さい!!」と生意気を言いました。
「長生きは難しいだろうけどさっ」と笑って背中を向けてので、「お疲れ様でした~!ありがとうございました!」と元気に声を掛けました。

翌朝「今日退院したい」とお伝えしたら「本当に帰るの?」「お酒は程々に、退院後の初めての診察は無理して早い時間に来ない方がいいから10時がおススメ」と予約を入れてくれました。

こんなエピソードから感じていただけたかと思いまが、とっても良い入院期間を過ごすことができました。
私はいつも偶然のような、奇跡のような出会いに恵まれます。
今これを読んで下さっている皆様とのご縁もそうです。

続きはまた!(^^)!